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「ITSM(ITサービスマネジメント)ツールの導入費用」とひと口に言っても、予算の内訳には様々な要素が含まれます。例えば、「一戸建ての費用」と言った場合でも、「敷地代」もあれば「設計費用」もあるでしょうし、システムキッチンのブランドやバスルームの仕様等、バラバラと検討をはじめると全貌がつかめず混乱してしまいます。

ITSMツールの導入も同様で、検討しなければならない項目が多く「早く導入計画を進めたいのに、費用の構成が複雑で相場が分からない」というポイントで悩んでいるご担当者様が多くいらっしゃいます。本記事では、そのような方のためにITSMツールの導入費用を以下の3ポイントに分けて解説します。

1.ソフトウェアライセンスの費用
2.サーバーやOSの費用(オンプレミス製品を導入する場合のみ)
3.導入支援サービスの委託費用

上記のように項目を分けることで、検討しなければならない事項も自ずと整理されます。また、記事内ではManageEngineが提供するITSMツール「ServiceDesk Plus(サービスデスク プラス)」の実際の価格を例に説明しますので、よりリアルに導入費用の算出をご体感頂けるかと思います。ぜひご参照下さい。

 

1.ソフトウェアライセンスの費用

ITSMツールをゼロから自作するのではなく、出来合いのソフトウェアを導入する場合、まずはそのライセンス費用を明らかにする必要があります。ServiceDesk Plusの場合、以下の流れに沿う事で費用の割り出しが可能です。

■クラウド版/オンプレミス版を選択する

昨今のトレンドでは、社内で管理するサーバーを増やさず、「新規システムをクラウドへ移行する」という方針を定めている情報システム部門様も多いです。サーバーのメンテナンスや製品のアップデート対応を省力化し、リモート環境からのアクセス性を高めたいという場合は、クラウド版の利用がお勧めです。

ITSMツールの中には、クラウド版のみ/オンプレミス版のみ提供している製品もありますし、ServiceDesk Plusのように両方から選択できる製品も存在します。

まずは、自組織の方針に照らし合わせ、以下のようなポイントを明らかとすることで選択を行ってください。

  • (a) 社内LANで閉じた範囲で情報共有を行いたいのか?
  • (b) 社内LANの外で活動するスタッフとも情報共有する必要があるのか?
  • (c) 記録データを社外に保存することは社内コンプライアンス上で認められているか?
  • (d) オンプレミス版のサーバーOSの脆弱性対策や製品のアップデートを適切な頻度で行えるか?

(c)と(d)はいずれもコンプライアンス/セキュリティ上の要件ですが、それぞれクラウド版とオンプレミス版の強みが衝突し兼ねません(社外にデータを保存したくないのでクラウド版の利用は躊躇するが、サーバーや製品のアップデートに細かく対応できるリソースがないため、オンプレミス版にも手を出しづらいetc.)。このような場合、より優先度の高い要件が何なのかを組織的に判断し、決定する必要があります。

関連リンク先:
クラウド版(SaaS)とオンプレミス版の仕様比較

 

■ライセンスの利用形態を選択する

製品によってはライセンスを利用する際の形態が複数存在します。例えば、ServiceDesk Plusの場合、「オンプレミス版」を選択された方は「年間ライセンス」か「通常ライセンス」かを選べます。

<オンプレミス版>

1.年間ライセンス:毎年更新料が発生
2.通常ライセンス : 2年目以降は保守費用の更新のみが発生

例えば、「Standard Edition(10オペレーター)」のライセンスを取り上げると、年間ライセンスを選択されたお客様は毎年485,000円のライセンス料金を支払う必要があります。

一方、通常ライセンスを選択されたお客様は初年度のみ1,199,000円のライセンス料金を支払い、2年目からは201,000円の保守費用のみ支払えばよくなります。このため、4年以上の長期で利用する場合には「通常ライセンス」の方がお得です。

・年間ライセンス(4年間):485,000円 x 4年 = 1,940,000円
・通常ライセンス(4年間):1,199,000円 + 201,000円 x 3年 = 1,802,000円
——————-
差額:138,000円 ※価格は2021年4月時点の内容です

ただ、会計上経費扱い(オフバランス)にしたい時や、1年単位でライセンスを柔軟に増減させて利用したい場合(オペレーター数やノード数*の変動幅が大きい場合)等は、「年間ライセンス」が有利になる場合があります。自組織の会計都合や将来的な計画から、適切なライセンス形態をご選択ください。

関連リンク先:
「ServiceDesk Plus」の価格ページ
「通常ライセンス」と「年間ライセンス」

*オペレーター/ノード数については、次項で解説します。

<クラウド版>

なお、ServiceDesk Plusのクラウド版を利用する場合、ライセンス形態は「年間ライセンス」のみとなります。

一般的に、多くのクラウドサービスの場合では一定期間の利用権を得るために定期的に支払いが発生する「サブスクリプション方式」が採用されています。中には、年間ライセンスだけではなく月間ライセンスが提供されている製品もありますので、導入計画に併せてご検討下さい。

 

■利用範囲/規模に応じて「Edition」と「オペレーター/ノード数」を選択する

予め機能数や管理対象が定められているパッケージソフトウェアの場合、利用範囲や規模に応じてライセンス料金が変わることがほとんどです。

ServiceDesk Plusの例をあげると、利用したい機能数に応じて「Edition」をご選択頂く必要があります。また、サービスデスクを管理する「オペレーター数」やIT資産として登録する「ノード数」によってもライセンス料金が変動します。

 

・「Edition」とは

ServiceDesk Plusのどの機能を利用したいかによって、購入すべきEditionが異なります。例えば、「インシデントが発生した際のチケット管理のみできれば良い」という場合は「Standard Edition」で対応できますが、「構成管理データベースと連携させて、より詳細な障害特定を行った後、根本的な問題まで記録したい」という場合は、上位の「Enterprise Edition」がお勧めです。

このように、「Edition」を選択する上では、お客様側の課題についてどの範囲でツールによる解決を図りたいのか、要件が定まっていることが特に重要です。自組織だけで要件定義を行うことが難しい場合、ベンダーや支援会社へ相談することをお勧めします。

関連リンク:
Edition毎の機能詳細比較(オンプレミス版)
Edition毎の機能詳細比較(クラウド版)

お気軽にご相談ください:
オンライン相談のお申込みはこちら

 

なお、「要件の確定を今すぐにはできないが、予算確保の期限があるのでツールだけは今期中に導入しなければならない」といったケースで悩まれるお客様もいらっしゃいます。

このような場合、本来は好ましくないですが、まずは「Standard Edition」の範囲で導入し、必要な機能を後から追加していく「スモールスタート」方式をお勧めします。ManageEngineでは、導入後に差額を支払う事でEditionをアップグレードできる「トレードアップ」という制度を設けています。

関連リンク:
トレードアップとは

 

・「オペレーター数」とは

ServiceDesk Plusでは、ツールにアクセスする社内担当者数(サービスデスクや情報システム部門の人数)に応じて、「オペレーター数」の選択が必要となります(サービスデスクへ問い合わせをしてくる一般従業員数はライセンスに影響しません)。

「オペレーター数」は段階的に設定されていますので、必要とする人数が収まるライセンスをご選択ください(18名いる場合、20オペレーターのライセンスをご購入ください)。なお、導入後にオペレーター数を増やしたい場合、その差額を支払うことでEditionを変更できる「トレードアップ」という制度もございます。

関連リンク:
「ServiceDesk Plus」の価格ページ
トレードアップとは

 

・「ノード数」とは

ServiceDesk Plusの資産管理、構成管理データベース(CMDB)機能を活用する場合、管理対象のIT資産数に応じたライセンスを選択する必要があります。

詳しくは、IPアドレスを保有する資産1単位につき「1ノード」が加算されます(仮想マシンなどを管理対象とする場合も、加算対象となります)。「ノード数」は段階的に設定されていますので、必要とする資産数が収まるライセンスをご選択ください(800資産を管理する場合、1000ノードのライセンスをご購入ください)。

なお、導入後にノード数を増やしたい場合、「オプション」という形式でノード数のみ追加購入が可能です(「Enterprise Edition 250ノード」をオプションとして追加購入等)。

関連リンク:
「ServiceDesk Plus」の価格ページ
オプション追加とは

 

2.サーバーやOSの費用(オンプレミス製品のみ)

本項は、「オンプレミス版」のITSMツールをご選択される方のみ、ご参照ください。

ServiceDesk Plusのオンプレミス版をご利用頂く場合、物理サーバーもしくは仮想のゲストOSを1ノード分、専用に用意していただく必要があります。また、用意した1ノードには、WindowsサーバーもしくはLinuxサーバーの準備が必要です。

Windowsサーバーを選択される場合はWindowsライセンスに関わる費用が発生します。LinuxにおいてもRedhatなどの有償のディストリビューションを利用する場合には同様に費用が発生しますので、ご留意ください。

また、オンプレミス版の場合、導入後のサーバーやOSに対する脆弱性対策(パッチの適用)やServiceDesk Plus自身のアップデート対応をご担当者様自身で実施頂く必要がございます。内部のリソース状況もご勘案の上、ご検討下さい。

関連リンク:
動作環境 / システム要件

 

3.導入支援サービスの委託費用

最後に、ツールの実装を行う際の支援費用について解説します。本費用項目は省略可能ですが、初めてITSMツールを導入するご担当者様にとって初見からツールの特徴を熟知し、短時間で導入作業を完了することは容易ではありません。

自社で全ての導入作業を進める場合の難易度は、要件や実装担当者のスキル(ツールの構築スキル以外に、業務設計スキルや社内調整スキル等も含む)、担当者がプロジェクトに充てられる工数(プロジェクト専任/他業務との兼任)によっても変わります。

このため、単純な支援費用の有無として判断するのではなく、支援費用を払う事でまかなえる項目についても俯瞰的に判断することをお勧めします。

<支援費用へ投資することで期待できる効果>

  • 本業への自社リソース充当
  • 作業完了までの時間短縮
  • プロジェクト失敗のリスク回避

なお、ITSMツールのライセンス費用(どのEditionを選択するか)を特定するためには、「自組織が抱えている課題についてどの範囲でツールによる解決を図りたいのか」を明確化し、要件を整理しておくことが重要であると先の項で言及しました。要件が曖昧な場合、そもそものツール選定や実装計画を立てられないためです。

しかし、ツールの特徴を理解しながら的確な要件定義を行うことは容易ではありません。このため、導入支援サービスの中に「要件定義のためのコンサルティング費用」も含めて依頼するケースが多く存在します。以下では、ServiceDesk Plusのテクニカルパートナーへ実装支援を依頼した場合の依頼項目を、サンプルとして掲載しています。

【基本サービス内容】

  • 要件定義(1か月)
    現状調査、要件定義、基本設計(運用設計)
  • 詳細設計(1か月)
    管理項目設計、テンプレート設計、プロトタイプ構築
  • 設定関連(約0.5か月)
    基本設定、データ設定、稼働テスト
  • 教育(2日程度)※下記参照
    運用管理教育、オペレーター操作教育、説明会開催等
  • 試験稼働(約0.5か月)
    テスト、顧客環境での稼働テスト等
  • アーリータイムサポート(カットオーバー後、約1か月のサポート)
    電話・メール対応、オンサイト対応(別途費用)
  • ServiceDesk Plus 導入支援サービス(約3~4か月)Edtion別

 

合計:

  • Standard Editionの場合:600,000円~900,000円(税別)
  • Professional Editionの場合:1,200,000円~1,600,000円(税別)
  • Enterprise Editionの場合:2,400,000円~3,000,000円(税別)
    ※上記費用の他に製品ライセンスやサーバーの調達費用が別途加算されます。

上記はあくまでも参考値となりますので、より正確な費用については弊社テクニカルパートナーへお見積り依頼を行うことをお勧めします。また、依頼先の選定や、より細かいServiceDesk Plusのライセンス情報も含めて事前にご相談されたい方は、ぜひお気軽に弊社までお問合せ下さい。

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テクニカルパートナーの選定も含めたご相談/お問合せ

 

 

ITSMツール導入時の3つの壁を解消!「導入効果/ROI/構築費用」について具体的に解説
※各章の詳細は以下よりご参照頂けます。

1章:ITSMツールの実際の効果はどのくらい?ServiceDesk Plusの事例を元に解説!
2章:ITSMツールの費用対効果(ROI)はどう算出する?専用シートの活用方法を解説!
3章:ITSMツールの導入は構築費込みでいくら?ServiceDesk Plusを例に解説!

 


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