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システムの安定稼動において、サーバーの処理能力を把握しておくことは重要です。とりわけ、ネットワークの性能は社内システムのみならず、Webサイトのような外部向けシステムの運営を円滑にするためにも、常に気にかけておく必要があります。ネットワークの性能を示す代表的な指標である「レイテンシ」の概要と、レイテンシが発生する要因や適正値にするための対策について解説します。

レイテンシとは

レイテンシは、データ転送における代表的な指標のひとつです。転送要求を出してから実際にデータが送られてくるまでに生じる、通信の遅延時間のことを指します。一般的に、レイテンシはms(ミリ秒)の単位で示され、ネットワークの種類や構成などによってその値は変化します。

遅延時間が短いことをレイテンシが小さい(低い)、遅延時間が長いことをレイテンシが大きい(高い)といいます。レイテンシが小さければ小さいほど、データアクセスに関する性能は高く、またインターネット通信の状態が良好であると評価されます。

インターネット通信において、データアクセス速度の遅延はビジネスにも大きな影響をもたらします。例えば、ECサイトのレスポンスが悪いと感じてユーザーが離脱してしまうことがあります。または、オンラインゲームで思いどおりの操作ができないために評判が下がり、収益機会を逸してしまう可能性もあるでしょう。そのため、レイテンシはシステムを評価するうえで重要な指標といえるのです。

レイテンシ以外のネットワーク性能の評価指標

ネットワークの通信性能を評価する指標は、レイテンシ以外にもいくつかあります。参考までに、代表的な指標についても紹介します。

1. スループット

レイテンシと同様に、「スループット」も機器や伝送路などの性能を表す指標としてよく使われています。スループットは、単位時間あたりに伝送できるデータや信号の量のことです。一般的には、値が高ければ高いほど、高速で大容量の情報をやりとりでき、より多くの接続に対して迅速に対応できることを示します。
スループットが良好であっても、レイテンシが大きい場合は「性能が悪化した」と感じられることがあります。人工衛星を介した通信や国際間海底ケーブルを介した通信などは、レイテンシの大きさが問題になりやすい一例です。

2. パケットロス

送信したパケットのうち、途中で消失して相手に届かなかったパケットの割合を示す指標です。パケットロスの発生要因としては、経路上にある通信回線や中継装置などに過大な負荷がかかっている、機器が故障している、などが考えられます。

レイテンシが生じる主な原因

レイテンシが生じる原因は、サーバーやネットワークなどのインフラからアプリケーションまで広範囲におよびます。そのため、システムの動きが遅いと感じたときに、その原因をある程度予測してから調査に入ることが望ましいでしょう。ここでは、レイテンシが発生する代表的な原因として次の4つを紹介します。

1. メモリ使用量

Webアプリケーションのレイテンシ発生要因として、第一に考えられるのが「利用可能な物理メモリの量が少なくなっている」ことです。なんらかの処理を実行した影響でメモリ使用量が急増し、レイテンシが発生しているかもしれません。

2. CPU使用率

CPU使用率が高い、あるいは急増するとサーバーの処理性能が下がり、レイテンシが発生する場合があります。前述の「メモリ使用量」と「CPU使用率」の2項目は、サーバーの処理性能による発生要因に分類されます。これらの要因によってレイテンシが継続的に発生している場合、その原因はレイテンシ発生元のサーバーだけでなく、アプリケーションにまで及んでいるかもしれません。

3. アプリケーションやプログラムの設定

メモリ使用量やCPU使用率の問題が特にない場合は、サーバー上で稼動するアプリケーションやプログラムの設定が原因となってレイテンシが発生している可能性が考えられます。この場合は、アプリケーションやプログラムを確認し、どの処理段階で遅延が発生しているのかを明らかにする必要があります。アプリケーションの構成が複雑な場合は、レイテンシが複数のアプリケーションをまたぐ要因で発生している可能性も考えられるでしょう。

4. ネットワーク接続

上記3項目が適切であった場合は、サーバーと接続するネットワーク、および接続先との依存関係がレイテンシの発生要因となっている可能性が高いといえます。ネットワークを介してデータの「読み込み」と「書き込み」を行うシステムでは、「システム間でボトルネックが生じていないか」を確認する必要があります。
クラウドでの運用を検討している場合は、「自社の拠点からできるだけ近い場所にリージョンがあるか」をシステム要件に含めて考えるようにしましょう。一般的には、「国内にデータセンター拠点を持つクラウドサービス」のほうが「海外に拠点を持つクラウドサービス」よりデータ転送時間は短くなるケースが多いようです。

レイテンシを抑えるために検討すべき対策

システム全体のレイテンシを抑えるために、あらかじめ検討すべき主な対策は次の3つです。

1. サーバー処理性能の向上

サーバーのメモリ使用量に余裕がなかったり、CPU能力がシステム要件に対して不足していたりする場合は、サーバーの処理性能を上げることによってレイテンシを抑えることができます。この場合、中長期的な視点で「システムの運用に適した規模になっているか」を十分に検証することが求められます。予算や拡張性を考慮して、オンプレミスからクラウドに置き換えることを検討してもよいでしょう。

2. ネットワーク帯域の確保

システムの円滑な運用だけでなく、ユーザーに対して即応性の高いサービスをインターネット上で提供するためには、十分なネットワーク帯域を確保することが求められます。サービスの提供範囲がグローバル規模になる場合は、なおさら十分に検討する必要があります。

3. サーバー・ネットワーク統合監視ツールの活用

上記の対策を実施していても、不測の事態でレイテンシが増大することは十分に考えられます。万一の場合に備えて、サーバーやネットワークなど、社内のあらゆるシステムを監視できるツールを導入しておくと安心です。障害が発生したとき迅速に原因を分析できるように、操作性に優れたツールを選ぶとよいでしょう。物理サーバー、仮想サーバー、クラウド、すべてをひとつのツールで監視できることが望ましいといえます。

まとめ:レイテンシを抑えてシステムを安定稼働させるには?

レイテンシの増大を防ぎシステムを安定稼働させるためには、発生要因を理解し、事前にレイテンシ発生を抑える対策を実施することが有効です。それでも、想定外の要因などでレイテンシが発生してしまい、システムの運用やサービス提供においてマイナスの影響をおよぼす可能性は十分に考えられます。

こうした事態を回避し、レイテンシを抑えてシステムを安定稼働させるためには、監視を行うことが有効です。適切な監視がされていれば、レイテンシが原因となる障害が発生しても、原因の特定から復旧まで迅速に対応できるようになります。高度なスキルを必要とせず、低価格でシステム全体を網羅的に監視できる、以下のようなツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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アプリケーション・IPアドレス・ポート・プロトコルなどの情報を収集できるツール。NetFlow対応機器とフローコレクターをあわせて活用することで、遅延の原因となっている問題の通信を特定できます。
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