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◆今回の記事のポイント◆
★カスタムドメイン名の設定について

 

◆MicrosoftのMVP解説シリーズ バックナンバー◆

 

前回までの投稿では、試用版の契約方法に続いてMicrosoft 365管理センターに含まれるメニューを紹介し、管理画面の全体像を掴んでいただきました。今回の投稿からは、初期設定に関わる内容を紹介します。今回はドメイン名のカスタマイズがテーマです。

第2回の投稿で、試用版の契約時にドメイン名の設定をおこなう必要があることを紹介しました。そのドメイン名は「XXXX.onmicrosoft.com」という形式となり、Exchange Onlineの電子メールアドレスやSharePoint OnlineのサイトURLの一部としても使用されることを紹介しました。つまり、ユーザーがサインインする際のIDやExchange Onlineで送受信に使用するメールアドレスは「<ユーザー名>@XXXX.onmicrosoft.com」の形式になるわけです。また、ドメイン名の「XXXX」部分は契約時に指定できますが、他の組織のドメイン名とはバッティングしない名前を指定する必要があるため、簡単な(短い)名前などはすでに取得されており、ある程度の長いドメイン名になってしまうことが考えられます。

多くの組織では、この既定のドメイン名ではなく、自社で保有するドメイン名を使用したいと考えることでしょう。そのニーズに対応するために、カスタムドメイン名の設定が用意されています。

★カスタムドメイン名の設定

カスタムドメイン名は、簡単に言ってしまえば「短いドメイン名を追加で付ける」という設定です。例えば、契約時に指定したドメイン名が「XXXX.onmicrosoft.com」であっても、「contoso.com」のように短いドメイン名を利用できるように設定できます。設定自体は、Microsoft 365管理センターから[設定]メニューの[ドメイン]を使用します。この画面には、契約時に指定したドメイン名が表示されていますが、[ドメインの追加]をクリックすると、自由なドメイン名を指定することができます。

ただ、何の条件もなく、各組織が好き勝手なドメイン名をつけてしまうのは問題になります。そこで、カスタムドメイン名を設定する時には、「そのドメイン名の正規の持ち主であるか」という確認が必要になります。カスタムドメイン名の設定を進めていくと、画面上にはDNSレコードに関する情報が表示されます。

この画面は何を意味しているかと言うと、「本当にcontoso.comを持っているの?」という確認です。つまり、そのドメイン名の正規の持ち主であることを証明するために、「DNSでこのレコードを作ってください」という条件がこの画面に表示されているわけです。この確認に使用できるレコードの種類は、TXTレコードまたはMXレコードのいずれかとなっており、一般的にはTXTレコードを選択します。DNSサーバーでTXTレコードをサポートしていない場合は、MXレコードを選択して登録すべきレコードの情報を確認しましょう。ドメインレジストラが提供しているDNSサーバーを利用している場合は、そのDNSサーバーにレコードの登録をおこない、その後で[確認]をクリックするとMicrosoft 365(旧称:Office 365)側でその内容がチェックされ、「正規の持ち主であることが確認できたので、このドメイン名を使わせてあげましょう」となるのです。

ちなみに、ドメインの購入は、一般的なドメインレジストラではなく、Microsoft 365管理センターからおこなうこともできます。ドメインの購入をおこなう場合は、[設定]メニューの[ドメイン]画面で[ドメインの購入]をクリックし、使用したいドメイン名や金額、支払い方法などを指定します。この場合には、Microsoft 365でそのドメインを使用するためのレコードが自動的に登録されます。

このようにカスタムドメイン名の設定を行うことで、自社が保有しているドメイン名を使用することができるようになり、ユーザーIDやメールアドレスに自社ドメイン名を使うことができます。それでは、これで晴れて自社ドメイン名が使えるようになったので、次回はユーザー管理について紹介したいと思います。

筆者紹介
新井 慎太郎 (あらい しんたろう)
株式会社ソフィアネットワークに勤務し、2009年よりマイクロソフト認定トレーナーとしてトレーニングの開催やコース開発に従事。前職である会計ソフトメーカー勤務時には、会計ソフトの導入サポート支援や業務別講習会講師を担当。これらの経歴も活かして、ユーザー視点や過去の経験談なども交えながらのトレーニングを提供し、近年はMicrosoft AzureやMicrosoft Intuneなどのクラウドサービスを主な担当領域とする。講師として活動しながら、書籍の執筆などの活動も評価され、2017~2020年にかけてMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを受賞。
主な著作は『ひと目でわかるAzure Information Protection』 (日経BP)、『徹底攻略MCP問題集 Windows Server 2016』『徹底攻略MCP問題集 Windows 10』(インプレスジャパン)、『ひとり情シスのためのWindows Server逆引きデザインパターン』 (エクスナレッジ) など。

 

ゾーホー社員のつぶやき

こんにちは!ゾーホージャパンの近藤です。今年4月にMicrosoft社は、Microsoft 365の一部のプラン名を変更し、Microsoft 365という新しい名称を使用するようになりました。Microsoft社のサービス・製品・プラン名変更を聞くと、過去にあった名称とその時の思い出が一緒に思い起こされます。随分前になりますが、Windows OSが9X系とNT系で大きく分かれ、おおよそ1~2年ごとの周期で改良(名称変更)されていきました。OfficeソフトもWindows 95 OS時代にはシステムにプレインストールで提供されていたものが、今ではSaaSとしてのクラウド環境での提供です。ソフトの名称を聞くとそのソフトが一般的であった頃が懐かしく思い出されれます。もはや、懐メロならぬ、懐ソフトですね。

さて今回は、Microsoft 365のカスタムドメイン名の設定方法について学びました。組織によっては複数のドメインを所有している場合があると思います。例えば、海外展開を行っている企業においては、現地の支店や工場が本社傘下として別のドメインが設定されているケースがあるでしょう。このような場合、本社IT管理部門の一人の管理者が支店や工場のすべてのユーザーとメールボックスを一手に管理することは現実的ではありません。そのため、異なる地域の組織ごとに複数のIT管理者を設けることが一般的ですが、それぞれの担当者が異なる管理作業を同時に行ってしまうことにより混乱が生じる可能性もあります。Microsoft 365で提供されている管理者委任機能を使用して管理者の一部の役割を任意のユーザーに割り当てることが可能ですが、割り当てできる役割にはいくつかの制限があり使い勝手が良くない場合があります。たとえばヘルプデスク技術者には、パスワード管理、Exchange管理、Skype for Business管理といったMicrosoft 365のデフォルトロールだけの付与が可能で、付与できるロールのカスタマイズはできません

ここで、弊社製品「M365 Manager Plus」のヘルプデスク委任機能についてのご紹介です。M365 Manager PlusによるMicrosoft 365の管理はデフォルトロール以外も柔軟に設定できます。 レポート、 管理、監査、アラートといった作業を自在に組み合わせ、組織のニーズに合わせてカスタムロールを作成できます。例えば、パスワードリセット、アカウントロック解除、アドレス属性変更、連絡先属性変更などをヘルプデスク技術者に委任することで、管理者は他の作業に集中できるようになります。また、組織に複数のドメインがある場合も、ドメイン単位でのロール作成ができたり、仮想テナント機能を利用することで1つのテナントをグループ分けして管理できるため、組織ごとのニーズに柔軟に対応できるようになります。

M365 Manager Plusとは?

Microsoft 365の定義済みレポートを包括的に提供し、大量のユーザー管理、大量のメールボックス管理、ログ監査、サービス監視、セキュア委任などを含む複雑な作業の実行に貢献します。
使いやすいインターフェイスで、Exchange Online、Azure Active Directory、Skype for Business、OneDrive for Business、Microsoft Teams、その他のMicrosoft 365サービスを一箇所で管理または可視化することができます。

M365 Manager Plusについて詳しく知りたい、一度使ってみたいという方は、ぜひ以下のURLにアクセスしてください。

M365 Manager Plusの製品ページはこちら
M365 Manager Plusの概要資料ダウンロードページはこちら
M365 Manager Plusの無料評価版ダウンロードページはこちら

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