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◆今回の記事のポイント◆
★共有メールボックスの管理について

 

◆MicrosoftのMVP解説シリーズ バックナンバー◆

 

前回までのExchange Onlineのサービス管理に関する内容に続いて、今回は共有メールボックスの管理をピックアップしてご紹介します。

共有メールボックスとはExchange Onlineの機能の1つであり、その名の通り、複数ユーザーで共有して利用できるメールボックスおよびアドレスです。共有メールボックスを使用すると、以下のようなニーズに対応できます。

・複数のユーザーが同じメールボックスを参照したい
・1ユーザーで複数のメールアドレスで送受信したい
・お問い合わせ対応用など、組織の対外的な窓口用のアドレスがほしい

共有メールボックスにアクセス権を持つユーザーは、その共有メールボックスでメールの送受信ができます。つまり、アクセス権を持つ複数のユーザーは同じ共有メールボックスを参照でき、共有メールボックスのアドレスを差出人としてメールを送信することもできます。

第10回の投稿では、一斉にメールを配信するための仕組みとして「配布リスト」や「Microsoft 365グループ」を紹介しました。配布リストはメールボックスを持たないため、配布リスト宛のメールは各ユーザーのメールボックスの受信トレイに直接配信されます。

一方、Microsoft 365グループの場合はグループのメールボックスを持ちますが、Microsoft 365グループ宛のメールは所属ユーザーのメールボックスの受信トレイにもコピーされて格納されます。共有メールボックスは、配布リストやMicrosoft 365グループとは異なり、個人のメールボックスとは完全に別のメールボックスとして使用できるものなのです。

共有メールボックスの作成や管理は、Exchange管理センターから[受信者]-[共有]のメニューでおこないます。作成は至ってシンプルで、[表示名]、[メールアドレス]、そして共有メールボックスを使用できる[ユーザー]を指定するだけです。

アクセス権を与えられたユーザーは、Outlook on the webやアプリケーションのOutlookから共有メールボックスを使用することができるようになります。Outlook on the webでは、左ペインの[フォルダー]を右クリックして[共有フォルダーの追加]をおこなうか、右上に表示されている[ユーザー]アイコンから[他のメールボックスを開く]のメニューを使用し、共有メールボックスのアドレスを入力してアクセスすることができます。

1つの共有メールボックスの容量の上限は50GBですが、1テナントで作成できる共有メールボックス自体の数には制限はありません。したがって、組織の用途に合わせて複数の共有メールボックスを作成し、アクセス権を割り当てたユーザーに使用してもらうことができます。

しかし、Exchange管理センターには共有メールボックスの一括作成メニューは無いため、1つずつ作成と権限設定をおこなうしかありません。参考までにWindows PowerShellから作成や管理をおこなう方法を記載しておきますので、複数の共有メールボックスをまとめて管理する際の参考にしてください。

■共有メールボックスの作成
New-Mailbox -Shared -Name <共有メールボックス名> -DisplayName <共有メールボックスの表示名>

■共有メールボックスを開くために必要なフルアクセス権の設定
Add-MailboxPermission -Identity <共有メールボックス名> -User <ユーザー名> -AccessRights FullAccess

■共有メールボックスのアドレスでメールを送信するための権限設定
Add-RecipientPermission -Identity <共有メールボックス名> -Trustee <ユーザー名> -AccessRights SendAs

 

筆者紹介
新井 慎太郎 (あらい しんたろう)
株式会社ソフィアネットワークに勤務し、2009年よりマイクロソフト認定トレーナーとしてトレーニングの開催やコース開発に従事。前職である会計ソフトメーカー勤務時には、会計ソフトの導入サポート支援や業務別講習会講師を担当。これらの経歴も活かして、ユーザー視点や過去の経験談なども交えながらのトレーニングを提供し、近年はMicrosoft AzureやMicrosoft Intuneなどのクラウドサービスを主な担当領域とする。講師として活動しながら、書籍の執筆などの活動も評価され、2017~2020年にかけてMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを受賞。
主な著作は『ひと目でわかるAzure Information Protection』 (日経BP)、『徹底攻略MCP問題集 Windows Server 2016』『徹底攻略MCP問題集 Windows 10』(インプレスジャパン)、『ひとり情シスのためのWindows Server逆引きデザインパターン』 (エクスナレッジ) など。

 

ゾーホー社員のつぶやき

こんにちは!ゾーホージャパンの近藤です。今回は、共有メールボックスについての投稿でした。共有メールボックスの主な用途としては、お客様からのお問合せ窓口用、組織内で立ち上げられるプロジェクト用、部署内/異なる部署を跨いでのグループ用などが挙げられます。先日弊社において「顧客満足度調査」アンケートを実施しましたが、その際にも本業務メンバーに新規メーリングアドレスを作成しました。Exchange Onlineを使用していれば、新たに共有メールボックスの利用が好ましいですね。

さて、上記投稿の「共有メールボックス」は、新規作成個数には制限がなく、組織の用途に合わせて複数の共有メールボックスを作成できます。しかし、Exchange管理センターには共有メールボックスの一括作成メニューは無いため、1つずつ作成/権限設定を行うか、Windows PowerShellを使用する必要があり、作業がより複雑になり、エラーが発生しやすくなります。

ManageEngine「M365 Manager Plus」では、PowerShellスクリプトを実行しなくても、GUIでユーザー、メールボックス、ライセンス、連絡先を一括管理でき、管理作業で費やされる工数を大幅に削減できます。Microsoft 365を機能単位で管理(Microsoft 365コンポーネントを独立した形で統制)できるので、Exchange Onlineを容易に管理できます。

例えば、共有メールボックスの管理については、
– 数回のクリックだけで、ユーザーのメールボックス、共有メールボックス、パブリックフォルダー、および連絡先をまとめて複数のメールボックスを管理できます。
– CSVファイルをインポートし、メールボックスのアクセス許可の変更、サイズ制限、自動返信、監査設定などを複数のメールボックスへ一括適用できます。

共有メールボックスの監視については、
– PowerShellスクリプトやExcelシートを使用しなくても、メールボックスのフォルダー容量、メール数、メールの件名、添付ファイルの容量などの様々なパラメータでメールボックスをフィルタリングし、組織内すべてのメールボックスに関する情報をレポートで簡単に可視化できます。
– スケジュール機能を使用して、任意のレポートを定期的に自動で生成し、管理者に送付できます。
– 独自の監査プロファイルを作成して、共有メールボックスのみ、または単一の選択メールボックスを監視できます。
– 監査レポートのPDF、XLS、CSV、またはHTML形式にエクスポートできます。

このように、M365 Manager Plusは、Exchange Onlineにまつわる様々な組織固有のニーズに柔軟に対応できます。

M365 Manager Plusとは?

Microsoft 365の定義済みレポートを包括的に提供し、大量のユーザー管理、大量のメールボックス管理、ログ監査、サービス監視、セキュア委任などを含む複雑な作業の実行に貢献します。
使いやすいインターフェイスで、Exchange Online、Azure Active Directory、Skype for Business、OneDrive for Business、Microsoft Teams、SharePoint Online、その他のMicrosoft 365サービスを一箇所で管理または可視化することができます。

M365 Manager Plusについて詳しく知りたい、一度使ってみたいという方は、ぜひ以下のURLにアクセスしてください。

M365 Manager Plusの製品ページはこちら
M365 Manager Plusの概要資料ダウンロードページはこちら
M365 Manager Plusの無料評価版ダウンロードページはこちら

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