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■「病院内のIT運用を見直して医師や職員の満足度向上へ!」連載記事について

大規模病院のITサービスデスクにおいて運用サポートの経験を持つ専門家が実体験をもとにITサービスマネジメントの改善方法を全5回にわたりご紹介します。ITサービスマネジメントの課題の解決の一助となりましたら幸いです。

前回は病院に対する「所要時間の明示~運用へのメリット」をお伝えしました。病院内全体の依頼種別に応じた所要時間の基準を決定し、回答しづらい依頼にも適切に対応出来るようにしましょうという内容でした。

第3回ではデスク周りに溜まった資料や書類をITSMで整理するための手法をご紹介します。(物理的な片付け方法とかではありませんよ!)IT部門への依頼は「電話」「紙文書」「電子メール」「対面」の何れか形で来ると思われますが、これに加えて病院では院内図面やその他諸々の紙資料が散乱している環境です。

そのためIT部門のデスク周りに、資料が山積しているのをよく見かけますが、デスクが大荒れな状態だと管理が煩雑になり様々なリスクが付きまといます。

  • メモや申請書の紛失によるセキュリティ事故
  • 申請書が埋没していて案件対応漏れや遅れが発生する
  • 資料が煩雑に置いてあるため、本来のデスクの使い方が出来ず作業効率が低下する

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■ 申請方法を統一する

そもそも申請書類関連は紙文書でなくてはならないのは何故でしょうか?

電子承認等を導入すれば遥かに作業効率が上がることは明白ですが、

  • スタッフの変革に対する抵抗(今あるものを変えたくない)
  • 効果がどの程度あるかわかりにくい(測定しにくい)

という理由から現状維持を続ける企業も多いかと思います。

そのため先ずは出来ることから、ということで依頼をデータ形式で統一する事から始めてみるのはいかがでしょうか。本来は「電子メール」で統一したいところですが、依頼の都度、電子メールを作成するのは相手の方々から手間が掛かると言われそうです。

私の病院では院内でデータ共有フォルダを作成し、そこに依頼ファイルをデータで格納してもらう形を取っておりました。

■ データでの依頼によるメリット

  1. 品質の向上
    • 依頼ファイルの内容をコピー&ペースト出来るため、タイピングミスによる文字間違えが無くなる。(病名マスタや薬品名マスタ更新の際に重要)
    • 電話や口頭での聞き間違いによるミスのリスクヘッジ
  2. 工数の削減
    • 紙文書を持ち込む移動工数の削減
    • 常時ファイルをデータとして格納出来るので、担当者不在の際でも依頼が可能

 

■ 回答とクローズ

依頼完了報告は電子メールもしくは口頭でも良いですが、依頼書ファイルに回答を記載し、電子メールで返信するのも良いかもしれません。

 

~ まとめ ~

【申請方法の統一と申請文書のデータ化で期待できる課題解決】

  • バラバラな申請方法から統一されるため、案件の対応漏れを防ぐ事ができる。
  • 申請文書の搬送が省略できるため、工数の削減・効率化に繋げる事ができる。

申請方法が統一されることにより、IT部門は申請ルートが限定されるため、作業効率を大きく上げることができます。

紙文書のデータ化についてですが、医療現場における紙媒体はまだまだ必要とされており、「電子化のメリットに対する認識の低さ」や「利用者の変革への抵抗」を含めると全てをデジタル文書化するまでにはもう少し時間が掛かりそうです。

しかし先ずは”電子化”という言葉が身近なIT部門から、こういった取り組みを行うことが将来の医療業界ペーパーレス化の展望に繋がる大事な一歩なのではないでしょうか。

次回は「問い合わせ ルートの一本化で 負担軽減へ」をテーマとします。

◆筆者紹介

株式会社フェス
宮崎 礼(みやざき れい)

株式会社フェスITSM事業部に所属し、2019年11月よりManageEngineのITSM分野のアンバサダーとして従事。大規模病院のITサービスデスクにおいて運用サポートを経験。10年間で1万5000件を超える案件に対応。電子カルテの問い合わせ窓口や操作研修の実演、端末・プリンタの設置対応をはじめ、カルテのテンプレートを500件以上作成。電子カルテの頻用項目の簡略化による医師の入力負担軽減に加え、後利用・研究に活かせると言った所謂”医療ビッグデータへの活用”に繋がる部分で、多数支援を行った。
院内会議の調整や関係各所との折衝を含め、医師や看護師といった方々と積極的にコミュニケーションを取ることで、院内の負担軽減に繋がるような提案を繰り返し行ってきた。

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