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「トップヒント」は、最新のテクノロジー業界のトレンドを探るコラムです。今回は、強固なサイバーセキュリティメッシュを構築するための5つのステップを解説します。

近年のコンピューティングモデルとネットワークインフラの変化

近年、コンピューティングモデルやネットワークインフラはますます断片化し、分散化が進んでいます。ハイブリッドおよびマルチクラウド環境が普及する中で、組織は多数のデバイス、ベンダー、ネットワークを管理し、保護しなければならないという課題に直面しています。

従来のサイバーセキュリティアプローチの限界

従来の集中型サイバーセキュリティアプローチは、すべてのシステムが社内で管理されている場合には有効でしたが、現在多くの組織では、複数のSaaS、IaaS、PaaSベンダーと自社の分散リソースおよびリモートワークフォースに依存しているため、従来のセキュリティアプローチでは、拡大した攻撃に対処するには不十分です。

セキュリティのサイロ化とその影響

この断片化は関連システムの違いを生み、更にはセキュリティのサイロ化につながり、組織のIT環境における各サイロの監視、管理、保護が非常に困難となり、その維持が高コストになることもあります。

サイバーセキュリティメッシュアーキテクチャ(CSMA)の導入

サイバーセキュリティメッシュアーキテクチャ(以下、CSMA)は、ガートナー®によって導入された最近のスケーラブルなアプローチです。分散資産の保護に焦点を当て、資産間の相互運用と調整を強化することで、組織のセキュリティ体制を強化します。

 

強固なサイバーセキュリティメッシュを実装する方法

1. 現在のセキュリティ体制を評価する

強固なCSMAを構築するための第一歩は、セキュリティインフラを徹底的に評価することです。セキュリティサイロは存在しますか?保護が十分でない分散資産はありますか?現在のセキュリティインフラの課題を把握することで、適切なソリューションを選択できます。セキュリティ目標を達成するために必要なリソースを展開しましょう。

2. 適切なセキュリティソリューションを選択する

サイバーセキュリティメッシュを設定する際には、目標に合わせるだけでなく、強力な統合機能を持ち、効果的にデータを通信・共有できるソリューションを探しましょう。CSMAは協調的なサイバーセキュリティアプローチであり、相互接続されたセキュリティシステムと資産ネットワークを構築することで、相互運用性を高めます。また、ゼロトラスト、多要素認証(MFA)、最小特権の原則(PoLP)などの強力なアイデンティティおよびアクセス管理(IAM)対策を、ツールとユーザーの両方に実装することも忘れないでください。

3. ソリューションを中央ダッシュボードに統合する

中央ダッシュボードを設定すると、強固なサイバーセキュリティメッシュを効果的に維持できます。様々なセキュリティツールと統合すれば、ダッシュボードからIT環境全体を包括的に確認でき、広範囲に分散した資産に対しても、セキュリティイベントやインシデントを継続的に監視し自動応答が可能となります。

4. 適切な対応手順を策定する

CSMAによって可視性が向上するため、IT環境全体の脅威を迅速に検出できます。具体的には、セキュリティアプローチの制御レベルによって、侵害の可能性がある資産やリソースを隔離し、インフラ全体の整合性を確保します。中央ダッシュボードのデータは、定期的なセキュリティチェックや対策を自動化し、新たな未知の脅威に柔軟に対応します。

5. セキュリティコントロールを継続的に監視・改善する

強固なCSMAの維持は、継続的なプロセスです。インフラのリスクや脆弱性を常に監視し、対応手順の効果をテストします。豊富なデータを活用して、将来のインシデントに対処できる改善ポイントを特定し、対応手順を徹底的に評価しましょう。

 

IT環境セキュリティ強化のための次のステップ

サイバーセキュリティメッシュの最大の魅力は、そのスケーラビリティと適応性の高さにあります。サイバーセキュリティの状況は常に進化しており、動的かつ適応力のあるセキュリティポリシーを実装することで、IT環境の保護に重要な役割を果たします。
スケーラビリティ、統合、継続的な監視、自動化に重点を置いたCSMAを通じて、組織は必要に応じてセキュリティリソースを展開し、ポリシーを実施できます。その結果、資産が物理的に遠く離れて設置されていても、IT環境全体を完全に制御し、日々巧妙化する脅威への対処が可能となります。

本記事はグローバル本社のブログ記事を日本版に修正したものです。
原文はこちらをご参照ください。


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