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5Gネットワークの次にくる6Gの時代では、空や海や宇宙などあらゆる場所で超高速通信ができるようになるそうです。
「5Gもまだよく分かっていないのに6Gなんて早すぎる!」と思った私みたいな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、実はそんなに先の未来ではないんです。
NTTドコモは、2030年頃6Gの商用サービスが開始を目指しています。
また韓国のサムスンは2028年の商用サービス開始を目指していると公表しています。
東名間のリニア新幹線開通が2027年予定なので、リニアとほとんど同じ時期に始まるかもしれません。
6Gとともに歩む2030年代はどのような社会になっているのでしょうか。
現段階で想定されている6Gの概要をご紹介します。
5Gのおさらい
まずは簡単に5Gをおさらいしましょう。
5Gは下記3項目を実現した次世代ネットワーク、およびその技術を指します。
- 超高速・大容量
- 超高信頼・低遅延
- 超多接続
とりあえず「超」がたくさん付けられていて、なんだかすごそうだということは分かりますね。
ざっくりまとめると「とても高速で、遅延や途切れることが少なく、たくさんのデバイスが同時に接続しても問題なく通信ができる」ということになります。
アメリカや中国でサービス開始したのが2019年、日本では2020年です。
既に始まっているといっても、まだインフラなどの環境の整備が進んでおらず、現段階で5Gサービスを利用しても4Gとそこまでの差はないそうです。
著者自身のスマホもときどき5Gに繋がりますが、性能が大きく変わったような実感はありません。
また5Gのキラーコンテンツ、つまり5Gでないと利用できないようなサービスはまだ生まれていないといわれており、まだまだ発展途上の状態です。
5Gの課題とは
4Gに比べると大きな進化を遂げた5Gですが、それでも課題があります。
よく挙げられている課題が下記の2点です。
ミリ波カバレッジの改善
端的に言うなら、場所によっては高速通信が利用できない可能性がある、ということです。
5Gは30GHz付近の高周波数帯の電波を利用します。
この高周波数帯域のことを「ミリ波」とか「ミリ波帯」と呼んだりします。
高周波数のため高速なデータ通信が実現できますが、障害物の影響を受けやすい性質があり、カバレッジ、つまり電波が届く範囲に課題が残るといわれています。
上りリンクの性能改善
手元のデバイスからインターネットへデータをアップロードするとき、通信品質が落ちる可能性が指摘されています。
現在のネットワーク通信では下りリンク、つまりインターネット側からデータをとってくる通信が多くなっていて、5Gも下り通信の改良に注力されています。
ただ、今後ますます普及していくであろうIoT社会では、上りリンク、つまり機器側からインターネットへ流れる通信が多くなることが見込まれています。
こちらは下りリンクに比べると速度、信頼性ともに改善の余地が多くあります。
特に、ビジネスでは大量のデータアップロードが発生する場合があるため、産業向け高速通信を提供するにあたり、上りリンクの信頼性や品質向上が必須となります。
6Gと5Gとの違いを解説
6Gは日本語で第6世代移動通信システムと呼ばれ、2030年代に広く普及すると予想されています。
NTTドコモによると、現段階で下記の6項目が6Gの条件として想定されています。
- 超高速・大容量
- 超カバレッジ拡張
- 超低消費電力・低コスト化
- 超低遅延
- 超高信頼
- 超多接続・センシング
ちなみに、6項目なのは6Gの「6」を意識してのことだそうです。
冗談みたいな本当の話です。
上記6項目をまとめると「あらゆる場所で、電力やデバイス数を気にせず高品質な高速通信ができる」ということですね。
やはり、産業用途やIoTへの対応を意識していることがうかがえます。
6Gの超多接続は5Gの約10倍
6Gの条件の一つ、「超多接続」は5Gの要件にも入っています。
ただ、実は近い将来にIoTデバイスが増えることでキャパシティ・オーバーになる可能性が指摘されています。
IoTデバイスが普及とキャパシティ・オーバーの関連について、もう少し考えてみましょう。
IoTとはモノをインターネットで接続可能にし、遠隔で操作したり状態を把握したりできるようにする技術を指し、この技術を用いた機器をIoTデバイスと呼びます。
たとえば、エアコンを外出先からオンにしたり、人の声に反応して照明を付けたりといったことは、IoTデバイスによって実現されています。
今後、IoT機器はさらに普及することは確実視されています。
SiriやAlexaのようなIoTデバイスのほか、人の思考や行動を読み取る接客用ロボットが普及したり、全く予想できない全く新しいサービスが生まれたりと、身近な機器が全てインターネット接続を前提としたものになると言われています。
こういった社会に対応するため、6Gでは5Gの10倍程度のデバイス数まで処理できるようになるようです。
細かく言うと、1k㎡あたり1000万デバイスの多接続まで対応できるとのこと。
具体的にどれくらいすごいの?
ちょっと数字が大きくて分かりにくいので、身近な例にしてみましょう。
人口密度が非常に高い満員電車を例に考えてみます。
満員電車では1㎡あたりに6人入るそうなので、1k㎡あたり約6,000人です。
6Gの最大許容量の1,000万デバイスを6,000人で割ると、約1,667台になります。
つまり、満員電車の乗客全員が、それぞれ1,600台くらいのスマホやウェアラブル端末を同時に使っても問題なく通信できるくらいな多接続を目指しているそうです。
ちなみに、スマホ1,600台の重さは約400キロです。
とても持ち歩けないくらいIoTデバイスが増えても問題ないことが分かります。
6G研究の現状
現在の6Gの研究はどこまで進んでいるのでしょうか。
気になるアメリカ、中国や日本の状況を見ていきましょう。
6G研究をリードしているのはアメリカと中国
他のITトレンドと同じく、6G研究をリードしているのはアメリカと中国です。
可能性があるものに手を付ける早さはさすがですね。
6Gはまだ技術やルールが整備されていません。
ルール整備にあたって主導権を握るには、各国が持つ中枢技術の特許数が鍵になります。
両国は標準化の段階で優位を得るために、多額の投資をして研究開発をリードしています。
それ以外の国や日本の状況は?
また、それ以外にも韓国は2019年、フィンランドでは2018年に6G研究に着手したことを発表しています。
対して日本では、先に述べたNTTドコモなどが研究を始めているほか、総務省が2019年に「Beyond 5G推進戦略」と題する計画をスタートし、6Gを有効活用した社会像を示しています。
6Gネットワークを理解して次世代の変化に備えよう
5Gや6Gの発展によって、生活の中のあらゆるものが加速度的に変化していくと言われています。
急速な技術の発展に取り残されず、有効活用していくためには、ニュースをチェックし理解しておくことが必要です。
政府などが出す情報を注視し、約10年後のの6Gネットワーク社会に備えましょう。
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