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こんにちは、ManageEngineコンテンツ担当の園部です。 2024年9月のMicrosoftセキュリティ更新プログラムの概要を解説します。
厳しい残暑の合間に秋の訪れが見え隠れする2024年9月、Microsoftは79件の脆弱性の修正を行いました。
月例のセキュリティ更新プログラムとは?
月例のセキュリティ更新プログラムとは、Microsoft社が毎月第2火曜(日本時間で水曜日の場合もあります)に公開する、OSやその他の関連アプリケーションのセキュリティアップデートやその他アップデートのことを指します。この配信のことを「パッチチューズデー(Patch Tuesday)」と呼ぶこともあります。
バグや脆弱性・ゼロデイ脆弱性を修正するための重要なセキュリティアップデートがこの日に多くリリースされます。 なお、緊急性が高く頻繁に悪用される脆弱性が発見された場合は、パッチチューズデー以外の日にパッチがリリースされることもあります。
2024年9月度のMicrosoftセキュリティ更新プログラムの概要
冒頭でも述べたとおり、Microsoft社は2024年9月に79件の脆弱性に対する修正を行いました。
修正された79件の脆弱性の内訳は以下の通りです。
Critical:7件
Important:71件
Moderate:1件
今月は「Windows Update」や「Windows インストーラー」など、Windowsの基本機能やセキュリティの要となる機能に関する脆弱性の修正が含まれています。特に「Windows Update」の脆弱性については影響度が「緊急」と評価され、既に攻撃の事実が確認されているゼロデイ脆弱性となっているため、できる限り早い修正プログラムの適用が推奨されます。
- Azure CycleCloud
- Azure Network Watcher
- Azure Stack
- Azure Web Apps
- Dynamics Business Central
- Microsoft AutoUpdate (MAU)
- Microsoft Dynamics 365 (オンプレミス)
- Microsoft Graphics コンポーネント
- Microsoft Office Excel
- Microsoft Office Publisher
- Microsoft Office SharePoint
- Microsoft Office Visio
- Microsoft Outlook for iOS
- Microsoft Stream サービス
- Microsoft リモート デスクトップ ライセンス サービス
- Microsoft 管理コンソール
- Power Automate
- SQL Server
- Windows AllJoyn API
- Windows DHCP サーバー
- Windows Kerberos
- Windows Libarchive
- Windows MSHTML プラットフォーム
- Windows Mark of the Web (MOTW)
- Windows Network Address Translation (NAT)
- Windows PowerShell
- Windows Remote Access Connection Manager
- Windows Standards-Based Storage Management サービス
- Windows Storage
- Windows TCP/IP
- Windows Update
- Windows Win32K – ICOMP
- Windows Win32K: GRFX
- Windows の設定とデプロイ
- Windows インストーラー
- Windows カーネルモード ドライバー
- Windows セキュリティ ゾーン マッピング
- Windows ネットワーク仮想化
- Windows 管理センター
- Windows 認証方法
- ロール: Windows Hyper-V
2024年9月に修正されたゼロデイ脆弱性
2024年9月の月例パッチでは、4つのゼロデイ脆弱性へのアップデートが提供されました。
CVE番号 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
CVE-2024-38014 | Windows インストーラーの特権の昇格の脆弱性 | この脆弱性が悪用されると、攻撃者はSYSTEM権限を獲得します。この脆弱性の詳細はまだ一般に公表されていませんが、すでに活発に悪用されていることが確認されています。 |
CVE-2024-38217 | Windows Mark Of The Web セキュリティ機能のバイパスの脆弱性 | 攻撃者は、サーバーに悪意のあるファイルを配置し、ユーザーにファイルをダウンロードさせて開かせることでこの脆弱性を攻撃します。この脆弱性が悪用されると、攻撃者はSmartScreenやWindows Attachment Servicesのようなセキュリティ対策を回避し、完全性と可用性の損失につながる可能性があります。 |
CVE-2024-38226 | Microsoft Publisher のセキュリティ機能のバイパスの脆弱性 | 攻撃者は、悪意のあるファイルをユーザーにダウンロードさせることで脆弱性を攻撃します。この脆弱性が悪用されると、悪意のあるファイルをブロックするためのOfficeマクロポリシーを回避できるようになります。 |
CVE-2024-43491 | Microsoft Windows Update のリモートでコードが実行される脆弱性 | この脆弱性は深刻度がCriticalと評価されており、修正パッチの迅速な適用が推奨されます。 この脆弱性により、過去のWindows 10(2015年7月リリースのバージョン1507)のオプションコンポーネントに影響する脆弱性がロールバックされています。2024年3月12日にリリースされたWindowsセキュリティ更新プログラムKB5035858(OSビルド10240.20526)または2024年8月までにリリースされたその他の更新プログラムをインストールしたWindows 10バージョン1507(Windows 10 Enterprise 2015 LTSBおよびWindows 10 IoT Enterprise 2015 LTSB)システム上で、攻撃者が脆弱性を悪用する可能性があります。 |
深刻度がCriticalの脆弱性とパッチ
2024年9月にリリースされた深刻度が「緊急」の脆弱性の概要と対応するパッチは以下の7点です。
CVE番号 | KB番号 | 影響を受けるコンポーネント | 概要 |
---|---|---|---|
CVE-2024-38018 | 5002624,5002639 5002640 |
Microsoft SharePoint Server | リモートでコードが実行される脆弱性 |
CVE-2024-38119 | 5042880,5042881 5043050,5043051 5043055,5043064 5043067,5043076 5043080,5043083 |
Windows ネットワーク アドレス変換 (NAT) | リモートでコードが実行される脆弱性 |
CVE-2024-38194 | – | Azure Web Apps | 特権昇格の脆弱性 |
CVE-2024-38216 | – | Azure Stack Hub | 特権昇格の脆弱性 |
CVE-2024-38220 | – | Azure Stack Hub | 特権昇格の脆弱性 |
CVE-2024-43464 | 5002624,5002639 5002640 |
Microsoft SharePoint Server | リモートでコードが実行される脆弱性 |
CVE-2024-43491 | 5043083 | Microsoft Windows Update | リモートでコードが実行される脆弱性 |
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