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当連載記事について

当連載記事では、ITIL®の研修を多く手掛ける専門家が、分かり易い口語体でより実際的な観点からITIL®を解説しています。サラッと読みながらもITIL®に基づいた考え方をより実践的なレベルへ落とし込むことができます。また、ITIL®に準拠するための機能を備えたITサービスマネジメントツール「ManageEngine ServiceDesk Plus」を提供するゾーホージャパンより、欄外コラムとしてツールの詳細や関連機能の説明を行います。ITIL®の概念を把握しつつ、ツールを活用した場合のイメージを広げる際の一助となりましたら幸いです。
※ITIL® is a Registered Trade Mark of AXELOS Limited.

 

はじめに

いよいよ最後の記事になりました。最後は継続的サービス改善(CSI)です。CSIは名前の通り改善を行うフェーズです。そして改善はいつでも行わなければなりません。なぜなら、課題はいつでも発生し得るからです。よって、CSIというフェーズはいつでも実施されるフェーズということになります。

CSIにもプロセスはあります

まず、くどいようですが、CSIとはフェーズの名前です。サービスストラテジ、サービスデザイン、サービストランジション、サービスオペレーションと同じです。なので、他のフェーズと同じようにプロセスがあります。プロセスの名前は「7ステップの改善プロセス」。この一つだけ。1つのフェーズに対して1プロセスしかないんです。つまりこのフェーズで行うことも、プロセスで行うことも、同じなんですよね。よって、この記事では「7ステップの改善プロセス」というよりも「CSI」として話をしていきます。

なぜ改善し続けるのか?

そもそもITIL®がなぜ「改善をしなければならない」と考えているのか?

ITIL®が目指しているものはコストの削減と品質の向上です。もちろん、ビジネスをする場合、費用を抑えられたら嬉しいでしょう。「コストの削減」については、今回はこのくらいの説明としておきます。一方の「品質の向上」についてですが、ITIL®は品質の向上をさせて何をしたいのでしょうか?なぜ、品質の向上をしないとならないのでしょうか?

ITIL®はITサービスについて、あくまでも「顧客成果を達成するための手段」ととらえています。顧客がお金を出してITサービスを購入する理由は、「何かを達成したいから」です。会社から携帯電話を支給されている方も多いと思いますが、なぜ会社はお金をかけてまで携帯電話を用意し、社員に持たせるのでしょうか?

ただ飲み会の連絡をするために用意しているわけではないですよね?おそらく営業部門であれば、お客様と連絡を取りやすくすることで「お客様との関係を強化することができる」とか、情報システム部門であれば、「インシデントが発生した場合でも迅速に対応できるようになる」とか、何かしら達成したいことがあるから携帯電話を支給しているんです。

しかし、最近はSNSやメッセージツールを使用し、データ通信の一種として連絡を取ることも多くなってきた。電話だと通話料がかかったり、電車の中で出られなかったりと不便さもあるため、メッセージツールによるコミュニケーションのメリットが重要視されてきた。

つまり、ビジネス側からの要望が「携帯電話で連絡を取りやすくすること」から、「いつでもどこでもメッセージを送れる/受け取れること」へ変わってきたんです。このようにビジネス側からの要望は、ビジネス側の都合により変化します。そしてその変化する要望は、一つの要望が満たされたら終わる訳ではなく、あらたに生まれる次の要望へつながってゆく。

ITIL®はこのように「ビジネス側からの要望は常に変化し続けるもの」ととらえ、「ITはこの要望に合わせて変わっていかなければならない(それが達成されるとき、ITの品質が向上したということになり、顧客は満足する)と考えているのです。

品質の向上はどう判断するのか?

上記を理由に、ITIL®は本当にITサービスの品質が向上したかどうかを確認することになります。しかし、どうやったら品質が向上したとみなされるのでしょうか?

これについて、ITIL®は数値化した指標を使うことで判断できると考えています。例えば、携帯電話を会社が購入して社員に与えていたとします。会社はその社員といつでも連絡が取れることを望んでいるんです。しかし、電波のエリアカバー率が低ければ、携帯電話がつながらない可能性が高くなってしまいます。それでは意味がない。そこで携帯電話を購入するときに、携帯電話会社を選ぶわけですが、その基準に「エリアカバー率」を採用する。

このように品質は数値化して測定できます。同じように、改善目標についても数値化することで成功/不成功を判断できます。例えば、今まで通話しかできなかった携帯電話にメッセージツールを導入し、テキストでも連絡を取れるように改善したとします。その時に成功かどうかをどのように測定するかといえば、「メッセージツールを何台の携帯電話にインストールしたか」とか「メッセージツールは何回使用されたか」とかを測定します。これによって、メッセージツールの有効性や改善の成否を判断できるようになるわけです。このように改善は測定できるもので、測定することで改善の成否がわかるとITIL®では考えています。

ビジョンと測定基準

よって、ITIL®では改善をする際には「測定基準」と「測定値」を決める必要があると考えているのですが、その測定基準と測定値はすべて「会社のビジョンに紐づいている必要がある」とも考えています。

なぜなら、会社は「ビジョンに向かって進んでいる集団」だからです。よって、直接であれ間接であれ、そのビジョンに関連する業務(活動)を会社内で行っています。ということは、すべての業務や活動は会社のビジョンに紐づかないとおかしいということなんでしょうね。

もし紐づかない活動があったら、それは会社の活動ではなく個人的な活動ということなってしまいます。そしてそのビジョンに関連する活動を改善するので、当然、改善に使われる測定基準や測定値も、同じようにビジョンに紐づく必要があるのです。そうすることで「会社としてのゴール」と「改善のゴール」が一致し、同じ方向を向いて進めるんですね。

最後に

本当はこの「改善」の具体的な方法は「ITIL®プラクティショナガイダンス」という書籍でまとめられているので、こちらのお話もしたいところではあるのですが…。その方法を記事にすると、それだけで連載が組めてしまうボリュームとなります。よって詳しい内容はまたの機会に取っておくことにします。

そして、今回の連載は本日を持ちまして終了となります。つたない文章でわかりにくかったかもしれませんが、お付き合いいただきありがとうございました。

なお、次回は「ITIL4」について、現時点で公表されている情報を記事としてまとめる予定です。よろしければそちらもお読みいただけると幸いです。

それでは。

>>記事一覧:ITの品質向上とコスト削減からとらえたITIL®

執筆者情報

日本クイント株式会社 コンサルタント 吉村友秀(よしむら ともひで)
主要資格:ITIL® エキスパート、公認情報システム監査人(CISA)

 



ServiceDesk Plusのユーザー調査機能について

連載記事をご一読頂き、ありがとうございます。長らく続いた連載記事も、とうとう今回で最終回となりました。読者の皆さまが企業/組織の中でITと関わる方法は様々かと思いますが、当連載記事が必要な方々に届き、何らかの形でお役に立っていましたら幸いです。

さて、記事の最後では、毎回ManageEngineが提供するITSMツール「ServiceDesk Plus」についての紹介コラムを掲載しておりました。今回は、ITIL®とは関連しませんが「継続的なサービス改善」という用語に絡め、「ユーザー満足度調査」の機能をご紹介致します。

ServiceDesk Plusの管理画面には、下図のように「ユーザー調査」というセクションが含まれています

※なお、ここで言う「ユーザー」とは、ServiceDesk Plusの機能を使ってサービス要求やインシデント報告を送信する人達のことです。

ここの「調査設定」というリンクから、ユーザー満足度を計測するためのアンケートを作成できます(下図)。

アンケートの送付対象や頻度についても、同じ画面から設定できます(下図)。

集計したアンケートデータは、必要な条件で抽出し、レポートとして表示することが可能です(下図)。

このように、対象となる部署やカテゴリーでデータを切り分け、全体のトレンドや回答内容の詳細を見ていくことで、例えば「特定部署の対応リソースが極端に少ない(回答が遅延している)」や「特定サービスのマニュアルが難しすぎる(リテラシーの低いユーザーに通じていない)」といった課題発見につながるかもしれません。

ServiceDesk Plusをご導入の際は、ぜひ活用してみて下さい。

 

<さらに詳細を知りたい方は…>

ServiceDesk Plusについて更なる詳細を知りたくなった方は、ぜひ「訪問説明/デモ」依頼窓口をご利用ください。Webの受付フォームからご入力いただければ、担当者より日程調整のご連絡をさせて頂きます。

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